すげー面白かった(こなみ
率直に思っていることをつらつら書く。
大量のネタバレを投下するのでプレイ中の方は注意。あと考察っぽいことを書くかも知れないけれど一プレイヤーの妄想であり激浅考察なので鵜呑みにしないほうが良い。
疲れたら書くのを止めるので追記したりしなかったりするかも。
導線の丁寧さ
本編に比べて導線が丁寧だった印象を受けた。
各ロケーションの特徴もあって楽しく冒険できた。1つのダンジョンをクリアしたらその奥に広大な新マップが現れるというのは新鮮だったし楽しかった。
綺麗な景色
各ロケーションは本当に美しかった。
エルデンリングが他のソウルライクと比較して卓越している点は景色の綺麗さであり、もっと言うとその景色にしっかりと歴史的なバックボーンが存在するということではないだろうか。
景色を見た時に美しいと感じて、過去にそこでどんな出来事があったのか、どんな歴史を辿ってきたのか、思わず想像してしまう。
RPGの本質が冒険ということにあるのなら、冒険に没入感を与えるのは歴史なんじゃないだろうか。
ミケラ:神人から神へ
ミケラの目的は神になることなんじゃないかと冒険の途中で察した。
理由は肉体や心、つまり人間性を捨てていっているということが分かったから。
マリカが己の人間性をラダゴンという存在に分離して律を保とうとしたように、ミケラは完全な神になるために「神人」という己から人の要素を削ぎ落としていった。
最初は肉体に始まり、やがては迷いや愛といった人間性にまで至った。
ミケラの神性が魅了であるというのが皮肉だった。最終的には自らの神性=大ルーンまでをも捨て去り、完全な神へと至ろうと人の部分をすべて捨て去るさまは悲壮ですらあった。
そして神になって成し遂げたい目的というのが「優しい世界」の実現というのが更に悲しい話だと感じた。優しさを判別するための人間性が、最終局面のミケラには残っていたのだろうか?
あと一つ疑問なのが、全ての人間性を捨て去って、大ルーンすらも捨て去ったはずのミケラが、ラスボスとして立ちはだかった時にはこちらを魅了してくるというのはどういうことなのだろうか。
大ルーンを捨て去ったのなら魅了の権能も失われたはずなのでは? という率直な疑問が残った。
また捨て去られた後のミケラの大ルーンは獲得することが出来るのだが、その効果は「魅了状態の解除」というのもどう考えればよいのか分からない。
魅了に対抗する能力が、壊れた大ルーンには残っていた。つまりミケラは「魅了に対抗する能力」を捨てたけれど、魅了の権能自体は残っていたということか?
というか魅了というのがミケラという存在の本質であるから、それは切り離せなかっただけという話なのかも知れない。
でも大ルーン=魅了の権能を捨てた時に、ミケラファンクラブの面々の魅了も解けていたから、やっぱり魅了する権能ごと捨てたという解釈であっているのか?
そこがよくわからないので考察班の解説を待ちたいところ。
マリカのルーン
マリカのルーンが懲罰砦で見つかったのはかなり想像力を刺激された。
英雄として祝福されたはずの何者かが、最終的には影の地に送られて懲罰を受けて死亡し地下に捨てられている、というのはもうこれだけで短編が一本書けそう。
そしてこの砦で手に入るのがメスメルの友達だったという黒騎士の筆頭の霊灰だというのも面白い。
影の地を支配していたのがメスメルだとするなら、そこに歯向かったのがこの黒騎士と英雄ということなのだろうか?
フレーバーテキストがかなり面白い。
メスメルとメリナ
メスメル関連のフレーバーテキストで「その妹と同じように火の幻視を宿す」みたいな記述があったから、たぶんメスメルはメリナの兄だと思われる。
メスメルはマリカの子供? なのでメリナもマリカの子供だったということになる。ルーンを操って力にする術が使えたのは、マリカの血縁だったからということなんじゃないだろうか。
物語開始時点でメリナは霊体だったから、殺害されていそうだと思う。
メリナが殺された理由は、メスメルと同様に火の幻視=黄金樹を焼き滅ぼす手段、を生まれながらに宿していたからかな? でメリナは殺されて、メスメルは目を差し替えられて幻視を封印されて、さらに影の地に追放された。
そんな感じなんじゃないかと思っている。
だから巨人山脈をクリアする前のデータで影の地に行ってメスメルを倒したら特殊会話があったりするんじゃないかと思ったんだけど、今のところそういう情報はないからそういう隠し要素はなさそう。
マリカ=巫女?
途中でマリカの故郷が出てくるのだけれど、そこのフレーバーテキストをつなげ合わせた感じだと、マリカは元々は巫女だったのではないかという想像ができた。
巫女として迫害されていたけれど、「母」に拾われて村に移住して暮らしているうちに、エルデンリングに選ばれて神になったという感じか?
誰もいなくなってしまった故郷の村を滅茶苦茶手厚く守っているあたり、まだマリカに人間性が正常に残っていた頃だから、村を祝福したのはラダゴンと分離する前っぽい。
でも影の地が生まれたのは黄金樹が発生してから=マリカが神になってから、だから時系列がおかしくなるか? それともエルデンリング世界は最初は一つの状態で、エルデンリングが降ってきてマリカが神に選ばれて黄金樹が発生した段階で、特定の地方が影になって、それが影の地として呼ばれるようになったのか?
6/28追記
巫女の村はボニ村から逃げてきた巫女を保護していた場所だと勝手に思っていたけど、普通に巫女と呼ばれる人達が暮らしていた場所だったのかなと思うようになった。
教会のシスターみたいな感じで、大母という中心人物と、巫女というシスターたちが平和に暮らしていた。
ボニ村で壺を作っていた理由は「罪人の更生」で、ベースとなる善良な存在に罪人を切り刻んでくっつけることによって、複数の罪人を「善き人」にすることだった。
だから順序としては、
①罪人をなんとか善い人にしてえなあ。普通に死刑にしても死のルーンがないから黄金律で循環してまた罪人として生まれ変わってしまうしなあ…
②せや、巫女(善良な存在)に、罪人を切り刻んでくっつければええやん! 黄金律で循環させないで「善き人」に融合させれば、罪人も「善き人」の一部として存在できるやんな。
③うーん、普通にやってもあんまりくっつかんなあ…せや! 巫女の背中を傷つけてグズグズに化膿させて、でかいツボに罪人の肉と一緒に詰め込めばきっとくっつくはずや! しかもこの方法なら複数の罪人を一気に善い人にできて効率的や! なんて冴えた方法なんや!
みたいな感じだったんだろうか。うーんこの。
マリカがエルデンリングに選ばれて神になって、故郷の村に戻ったときには、巫女はほぼ全員が壺の材料にされて無人だったんだろうな。だから村に祝福だけをして、ツリーガードなんかも配置して、二度と戻らなかったという。かわいそうやね…
時系列的には、
①マリカがエルデンリングに選ばれて神になり、巫女村を後にした。
②死のルーンが取り払われて生命は黄金律によって循環するようになった。
③罪人が罪人のまま循環するようになってどうしたものかと考えるようになり、「巫女(善き人)と罪人を融合させる」手法が考え出された。
という流れかな? 妄想だけど。
巫女村の迫害=エルデンリングの破壊を決意する契機となった説
これは妄想なのだけれど。
マリカは、
黄金律の探究を、ここに宣言する
あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする
幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる
同志よ、何の躊躇が必要だろうか!
とか言っておきながら、最終的に、
おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ
お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない
さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!
黄金律=エルデンリングを否定する思想になり、半身であるラダゴンごとエルデンリングを破壊しようとしている。
このあたりのテキストから思ったのが、ラダゴンとはマリカが黄金律を探求する過程で生み出した存在であり、だからラダゴンは黄金律原理主義だったのではないだろうか。
ちなみに黄金律原理主義とは、
原理主義は、黄金律を二つの力で説明する
それ即ち回帰と因果であり、因果とは
万物を関係性の連環となす、意味間の引力である
ということらしい。
要するに「全ての存在は意味間の引力があり関係性(連続性)があるから、その関係性を利用して環状に誘導して回帰させることで、死を取り払う」といった感じか。輪廻転生にかなり近い概念だろう。
これを素晴らしい概念だと思っていたマリカは、黄金律の探求の過程でラダゴンという黄金律原理主義そのものの存在を、自分から切り分ける形で作り上げた。だが黄金律によって生じる残酷な現実=巫女村での残虐行為を知ったことによって、黄金律を否定する思想になり、黄金律原理主義そのものであるラダゴンと対立することになった。
「お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない」というのは、「お前はまだ黄金律の負の側面を知らない、神である私は知っているがお前は知らない」という意味合いか。
そして黄金律の否定というのは黄金律原理主義の否定であり、つまり回帰と因果の否定である。要は「生物が死なずに連環する」状況は良くないという思想になり、マリカは陰謀の夜(死のルーンを取り戻し、エルデンリングを破壊する)を企てた。
とすると黄金の編み髪のフレーバーテキストである、
彼女が何を祈り、願い、告解したのか
知る者は誰もいない。ただその後に
マリカが故郷に戻ることはなかった
という部分は、
祈り:村の同胞の冥福
願い:死という概念の復活
告解:死のルーンを取り戻してエルデンリングを破壊するつもりであること=陰謀の夜を企てていること
というふうになるのではないだろうか。※告解:罪の赦しを得るのに必要な儀礼や、告白といった行為。
マリカの言霊考察
本編のマリカの言霊を並べながら、自分の考察(妄想)を間に入れてみる。
エルデンリングに選ばれたマリカは、狭間の地を黄金律によって統一しようとしていた。
大目標の一つが、黄金律=黄金樹を滅ぼしうる巨人の火を封じること。そのための武力を担ったのが、マリカから黄金律の祝福を与えられた戦士ゴッドフレイと彼の軍隊だった。
黄金樹は、すべてを律する。選ぶがよい
我らの律の一部となるか? それとも律の外にあり…
何の力も持たぬ、辺境の傍流となるか
戦士たちよ。我が王、ゴッドフレイよ
導きに従い、よくここまで戦ってくれた
あの頂きに、巨人たちを打ち滅ぼし、火を封じよう
そして、はじめようじゃないか。輝ける生命の時代を
エルデンリングを掲げ、我ら黄金樹の時代を!
巨人の火を封じ、黄金樹=黄金律を脅かす存在がいなくなる。マリカは黄金律の象徴的な存在として自らの存在を切り分けてラダゴンを生み出す。しかしゴッドフレイが死の存在しない世界に異を唱える。
我が王、戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う
そして、その瞳が色褪せたとき、狭間の地を追放する
外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい
そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう
狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい
死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ
ゴッドフレイから祝福=黄金律に連なる資格が剥奪されて褪せ人となり、狭間の地から追放される。死の存在を肯定する人物が身近からいなくなったことにより、マリカは黄金律=死の否定に傾倒するようになる。
黄金律の探究を、ここに宣言する
あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする
幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる
同志よ、何の躊躇が必要だろうか!
黄金律による死の存在しない時代が続いた後、マリカは故郷の村を訪れ、黄金律の負の側面を認識する。
マリカは死のルーンを取り戻して黄金律=エルデンリングを破壊することを企てる。
おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ
お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない
さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!
エルデンリングが砕けて大ルーンが生じる。大ルーンを得た自らの子供たち=デミゴッドに対し、マリカが最後に言い残す。
デミゴッド、我が愛し子たちよ
お前たちはもう、何者にもなれる。王であれ、神であれ
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる
…そして贄となるのだ
流れとしては割と自然だと思うのだけれど。