イマジナリ・ハーツ 04 プロット

プロット

[1] オネエ系のクライツ博士に出迎えられる。真夏の某日にクライツ・ハイン義体研究所を訪れた登悟・灼・詠子は、クライツ博士と、彼の患者であるミーシア・ミーシナに出迎えられる。フレンドリーな雰囲気のまま施術に向かう灼と詠子を見送る傍ら、クライツ博士に「万士(父親)によく似ている」と言われて凍り付く。

[2] ミーシアに右手(義手)を触られる。エントランスのソファで二人を待つ傍ら、クライツ博士に興味を持たれて付きまとわれる。クライツ博士と詠子と万士は知り合いらしいがまともに答えてはくれない。クライツ博士の問いかけ、hIEのように姿形が人間であれば、我々まっとうな人間は、どこまで内面の異形さを許容できるのか? 謎かけを残してクライツ博士はミーシア・ミーシナの調整に向かう。

[3] 施術を目前にした灼と詠子。人工人格の恋心について話す。作り物の人格が抱いた感情は、自然発生した物であっても、所詮は作り物にしか過ぎないのか。思い悩む灼に、詠子は「まずは手をつなぐことから」とアドバイスする。そうして電源を落とされた灼に施術をしようとした瞬間、施設全体が停電する。

[4] エントランスで待つ登悟の元へ、異常動作を起こした義体が殺到する。登悟は対応しながら無線を飛ばすが繋がらない。施設全体が完全な電波暗室と化している(=クライツ博士の人格再現ができないから、嘘が分からない)。移動する中でクライツ博士と出会い、地下にある非常電源に手動で切り替えるまでの護衛を頼まれる。
 ※実際は人格統合したミーシア・ミーシナを履歴を残さずに外に出すためであり、そのために施設の監視システムと、不確定要素だった登悟を切り離すことが必要だった。


ビート

タイトル: イマジナリ・ハーツ Case-004 Void Hands
ジャンル: 相棒愛

Humanoid Object
①オープニングイメージ[1]――ファイナルイメージの対極
 クライツ・ハイン義体研究所はパシフィス南区にある施設。左右に立ち並ぶ義体(人の形)に、薄ら寒いものを感じる。
 うだるような暑さの夏。蜃気楼=不確かなもの、目に見えるものが確実だとは限らない。
②テーマの提示[5]
 Humanoid Object=形が人間なら、中身の異形さはどこまで許容されるのか?
③セットアップ[1-10]――直すべき六つのこと
 灼の片腕がない状態。
 難病のミーシア、ミーシナ。登悟のことをお兄ちゃんと呼ぶ。
 恋心の未表明。灼の自問「自分は人間なのか?」
 クライツ博士は登悟の父親(九條万士)と知り合い?
④きっかけ[12]
 クライツ博士、ミーシア、ミーシナとの出会い。
 クライツ博士と詠子は旧知の間柄。
⑤悩みのとき[12-25]――何かしらの疑問を抱く
 ミーシア、ミーシナは壊れた肉体を義体で代替して生き延びようとしている。延命のために義体に入るという手段がある現代では、命の境界線がどこにあるのか登悟は疑問を抱く。
⑥第一ターニングポイント[25]
 当初の予定通り、詠子が灼の左腕を作るために、工房へと入る。登悟はそれに同伴する。

⑦サブプロット[30]――ブースターロケット
 登悟と灼の恋愛についての話。人工的な心に恋愛はできるのか?作り物の感情に意味を与えることを、詠子は灼に語る。
⑧お楽しみ[30-55]――お約束を果たす場
 ミーシア・ミーシナとの交流。外への憧れ。統合への憧れ。ミーシナは喋ることができないが、ミーシアは完全に彼女の内心を理解できる。
⑨ミッドポイント[55]――いきなり危険度がアップ・タイマーセット
 ミーシア・ミーシナの手術が始まる。クライツ・ハイン義体研究所の停電。ミーシア・ミーシナの生命維持装置が停止するまで一時間。=目的:非常電源の復旧。バイオハザード的な建物捜索(ゾンビ=義体)

⑩迫る来る悪い奴ら[55-75]
 義体研究所の義体が遠隔操作されてクライツ博士と登悟に襲いかかる。登悟はクライツ博士を護衛しながら原因究明に臨む。危ういところで腕が復元された灼と合流する。
⑪全てを失って[75]――死の気配
 惨殺されたミーシナの死体に直面する。
⑫心の暗闇[75-85]
 犯人は不明。うろたえるクライツ博士(演技)。
⑬第二ターニングポイント[85]

⑭フィナーレ[85-110]
 非常電源の警備用の義体(AASC-4 x2)との戦闘。選択:自分の命(死亡ないし大怪我)か灼の記憶情報。登悟は灼の記憶情報を選んで非常電源を復旧させる。危ういところをミーシア・ミーシナ統合体が気まぐれで救う(ミーシア・ミーシナが人格統合され、街へと消えてゆく)。
 事態収束後、登悟は単身でクライツ博士のオフィスを訪れる。停電の犯人はクライツ博士。ミーシナの死体を見たときにミーシアに言及しないことで違和感を覚えた登悟が、Face Loaderによる人格再現で犯行の予想を行った。ミーシア・ミーシナを救うためには、人格統合という技術(オーバーマン技術)を露見させずに彼女たちを外に出さなければならなかったため、非常電源も含めて全て落とした。登悟はFace Loaderの機能でクライツ博士の犯罪を暴くが、クライツ博士を捕らえようとはしない。
⑮ファイナルイメージ[110]――変化(オープニングイメージの対極)
 腕が復元した灼に手を引かれて(恋心の表明)終わる。義体でも触れることで安心する、人間の形に触れることで安心するという人間の性質。

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